
泌尿器の病気
・下部尿路症候群
→結石がつまって尿が出なくなる
→尿の中に結晶(尿結石)ができ、それが尿道につまったり、膀胱を傷つけたりする病気です。
オスネコもメスネコもこの病気になりますが、重大な症状が出るのはオスだけです。
というのも、オスの尿道はもともと細くて長いうえ、先端がさらに細くなっていて、結晶が
つまりやすいためです。メスの尿道は太くて短いため、結晶によってふさがれることはまず
ありません。オスの尿道が結晶でつまって尿が出なくなると、尿毒症などを発症して命も危険
になるので、緊急に治療する必要があります。
この病気はかつては尿石症と呼ばれていましたが、いまでは下部尿路症候群(または泌尿器症候群)と
呼ばれています。
・慢性腎不全
→ネコの最大の死因のひとつ
→腎臓の組織の大部分がこわれて、腎臓が十分にはたらかなくなった状態をいいます。
腎臓の組織はいったんこわれると、治療をしてももとには戻りません。
そのため、この病気になりはじめたネコに対しては、飼い主がふだんから食事や飲み水に
注意する必要があります。腎不全はネコの死因の中でもっとも多い病気のひとつです。
・尿毒症
→緊急に治療が必要
→腎臓のはたらきがいちじるしくおとろえたときに現れる症状です。
・急性腎不全
→原因をとり除くことが大切
→腎臓が突然、十分にはたらかなくなる状態をいいます。
腎臓そのものに異常が生じたときだけでなく、心臓の病気で血液の循環が悪くなったり、
尿道に結石がつまったときにも急性の腎不全になります。
・腎炎
→症状が出にくい
→血液をろ過するはたらきをもつ腎臓の糸球体が炎症をおこす病気です。
炎症をおこしてから実際に症状が現れるまでにはかなり時間があるため、
腎炎をおこした原因を調べるのは困難です。
・水腎症
→おなかにしこりができる
→腎臓に水がたまって大きくなる病気です。
・腎臓の腫瘍
→ウイルス感染が原因
→腎臓にできる腫瘍は、ほとんどが悪性リンパ腫(リンパ肉腫)という血液のガンです。
白血病ウイルスに感染したことが原因で生じます。
・膀胱炎
→たびたび排尿しようとする
→膀胱が炎症をおこす病気です。人間やイヌにくらべてネコには少ない病気です。
・膀胱の腫瘍
→尿が多くなり、尿に血が混じる
→老ネコに多いガンです。イヌや人間に比べてネコがこの腫瘍になることは少ないようです。
