関連する病気
●耳血腫
耳介に強い衝撃を受けたり、耳介部の炎症や外部寄生虫の寄生などにより
耳をひっかくなどの結果、発症することが多い。
耳血腫は耳介に分布する血管が切れて皮膚と耳介軟骨が分離し、そこに血
腫が生じるものである。
また本症には物理的な衝撃がまったくない状態で発症する場合があり、免
疫系の関与も考えられている。
●スタッドテイル
猫は尾の背側に皮脂腺やアポクリン腺の活発な部位が散在している。
ニキビと同様、分泌物がたまり、細菌感染がおこると皮膚炎が発現する。
尾の基部に近い背面の皮膚が楕円形に肥厚し脱毛したりする。
分泌腺全体の感染のため慢性に経過し難治性に多いが、去勢雄や雌猫にも
みられる。
●神経系皮膚炎
精神的に不安定な状態におかれた結果、猫が鋭い糸状乳頭を備えたザラザラ
した舌で大腿部内側、腹部、背部などをなめることがある。
局部は脱毛し楕円形や線状の紅斑を呈する。
シャムやアビシニアンなどに多くみられる(舐性皮膚炎)。
●日光性皮膚炎
白色の被毛の耳をもつ猫がくり返し日光刺激を受けると発症しやすい。
耳の先端(耳尖部)の紅斑、充血、浮腫や脱毛がみられる、爪でひっか
いたりすると悪化して潰瘍化する。
下眼瞼にも同様の病変がおこることもある。
病気が悪化した高齢猫では扁平上皮がんに移行することもある。