
脳と神経の病気
・頭部のケガ
→むやみに動かすと危険
→ネコは交通事故や高いところからの落下事故にあいやすい動物です。
このようなとき、ネコは生命をとりとめても、頭を強く打つなどして脳が傷つき
後遺症が残ることがあります。ネコが意識を失ったときには、できるだけ早く獣医師の診断を
受けるべきですが、むやみに体を動かすと生命が危険です。ネコの体や頭を動かさないように
して静かに横たえ、まず獣医師に連絡して指示をあおぎます。
動物病院に運ぶときはゆとりのある場所、たとえば大きめのダンボールなどに静かに寝かせるか
できるだけ頭に衝撃が加わらないように抱いて運びます。
・脳炎・脊髄炎
→急速に進行することも
→ウイルスや細菌、寄生虫などに感染したとき、それらによって脳や神経がおかされることがあります。
・てんかん発作
→体をつっぱらせてけいれんする
→脳や神経の病気になると、突然、体をつっぱらせて泡をふいて倒れたり
意識を失ってけいれんをおこすことがあります(てんかん発作)。
・脳・神経の先天的異常
→生まれてすぐに死ぬことも
→ネコの中にはまれに、生まれつき脳や脊髄に異常(奇形)をもつものがいます。
先天性の脳の異常でもっとも多いのは、小脳がきちんと発達しない病気です。
これはウイルス感染が原因となるので、妊娠前に母ネコにワクチンを接種しておけば、予防できます。
・肝性脳症
→脳内に毒物が入る
→動物の体内では、健康なときでも、食べ物が消化されるときに有害な物質も同時につくられています。
こうした毒物は消化器から血液に混じって肝臓に運ばれ、そこで無害なものに変えられています。
しかしなかには、生まれつき血管のつながり方がおかしい、あるいは肝臓のはたらきが非常に悪い
などのために、肝臓で処理される前の血液が体内をめぐってしまうネコがいます。
このような場合、毒物は脳内にも入りこむため、ネコはさまざまな神経症状を示します。
