
脳と神経の病気
■ 脳の病気
・てんかん発作
→口から泡をふいて倒れる
→脳を作っているニューロン(神経細胞)に何らかの異常がおこると、とつぜん足をつっぱらせ、
泡をふいて倒れたり、痙攣をおこすことがあります。
これがてんかんの発作で、イヌは動物の中ではもっともよく発病します。
ふつう発作がおさまると、イヌは普段の状態にもどります。
いわゆる痙攣とてんかん(脳の異常によって引き起こされる)は専門的には区別されますが、
飼い主にとってその区別は容易ではありません。
・ジステンパーによる神経障害
→痙攣をおこし、泡をふく
→ジステンパーウイルスに感染すると、下痢や嘔吐などの消化器症状、せきや鼻汁などの呼吸器症状
それに痙攣などの神経症状があらわれます。
これらの症状は、通常ほとんど同時にあらわれるものと考えられていました。
しかし最近では、とつぜん神経症状だけを示す例がよくみられます。
・水頭症
→脳が圧迫されて動きがにぶくなる
→頭蓋骨内部には脳室とよばれる空間があり、脳脊髄液とよばれるすきとおった水のような液体で
満たされています。
何らかの原因で脳脊髄液がふえると、脳室が大きくなって脳が圧迫され、
さまざまな神経症状があらわれます。
・肝性脳症
→脳に毒物が入り込む
→肝臓は血液中にまじっている毒物を処理し、体内に毒物をまわらないようにしています。
しかし、生まれつき血管のつながり方がおかしいために、肝臓で処理される前の血液が
体内を循環することがあります。
その結果、脳にも毒物が入り込み、さまざまな異常が生じます。
・脳の外傷
→安静を第一に考える
→高いところから落ちたり、何かの拍子で頭を強くぶつけると、脳に外傷を受けることがあります。
その結果、体にさまざまな異常があらわれます。
・小脳障害
→立つときによろけ、なめらかに歩けない
→小脳は、動物の姿勢を保ったり、なめらかな運動をするための大切な器官です。
小脳に何らかの異常が生 じると、イヌの動きはぎこちなくなり、ふつうに歩けなくなったり
よろけたりします。
■ 神経の病気
・椎間板ヘルニア
→体がまひし、ふつうに運動できない
→背骨(脊椎)はたくさんの椎骨からなりますが、椎骨と椎骨の間には背骨をなめらかに
曲げられるように椎間板とよばれるうすい軟骨がはさまれています。
椎間板に強い力が加わったり、老化などで骨が変性すると、椎間板の内容物がはみ出して
椎骨の後ろにある脊髄を圧迫することがある。
これを椎間板ヘルニアとよびます。ヘルニアになったイヌは体がまひし
ふつうに運動できなくなります。
・前庭炎
→頭をかしげてぐるぐるまわる
→耳の炎症や腫瘍などが元で、耳の奥にある前庭神経が炎症などの異常をおこすことがあります。
前庭神経は体の平衡をつかさどる部分なので、ここがおかしくなると体のバランスが
うまくとれなくなって、ぐるぐるまわったり、倒れたりします。
いきなり症状があらわれて飼い主を驚かせることが多いようです。
・ホーナー症候群
→神経の異常で目がおかしくなる。
→首の付け根から目の近くまで走っている迷走神経に何らかの異常が生じると、目がおかしくなります。
■ ガン(腫瘍)
・乳腺腫瘍(ガン)
→乳にしこりができるのが唯一の症状
→イヌの乳房(乳腺)にできる腫瘍です。とくにメスの場合、腫瘍の50%以上が乳腺にできます。
したがって、メスではもっとも気をつけなければならない腫瘍です。
・体の表面の腫瘍
→治りにくい皮膚病のようにみえることがある
→皮膚や皮下にできる腫瘍で、ふつうはしこりができますが、皮膚病か傷のようにみえることもあります。
乳腺腫瘍についで発生率の高い腫瘍です。
・口腔の腫瘍
→口の中からあごの骨に広がるたちの悪いガン
→歯ぐきや、舌、口の中の粘膜、などにも腫瘍ができます。
イヌは口を大きく開けることが多いため、飼い主が気づきやすい腫瘍です。
・骨の腫瘍
→歩き方がおかしくなったら、すぐに診断を受ける
→骨のガン(主に骨肉腫)は大型犬の前足に多くみられます。
ガンにかかる平均年齢は7歳といわれていますが、2歳前後イヌにも発生しますので
注意してください。
・腹部の腫瘍
→症状が出てからでは手遅れに
→腹部の臓器(消化管、肝臓、すい臓、脾臓、腎臓、卵巣、子宮、膀胱など)にも、
さまざまな腫瘍が発生します。
イヌは人間と違って自覚症状を訴えることができないため、残念ながらこの部位の腫瘍は
進行してから獣医の診察を受けることが多くなります。
・悪性リンパ腫
→治療をしないと3ヶ月で死亡
→リンパ組織(リンパ節)は、あごの下、わきの下、またの付け根などや
胸腔などの体のいたるところに存在します。
リンパ組織にできるガンは、悪性リンパ腫や、リンパ肉腫とよばれ
治療をしないと平均3ヶ月前後で死亡してしまう恐ろしいガンです。
