
皮膚病に関連する病気

●汗腺炎
鼠径部や腋窩部などのアポクリン汗腺にブドウ球菌が感染して発生して
化膿性炎症である。
コリー、シェットランド・シープドックなどに好発し、紅斑が特徴的である。
●好酸球性肉芽腫
本症では口腔内の口蓋に潰瘍ができたり、舌に腫瘤が観察されることが多い。
犬種、年齢、性別に関係なく発症するが、3歳齢以下と雄に発生率が高い。
またシベリアン・ハスキーに好発するといわれる。
●黒色棘皮症
本症はダックスフンドやセッターに多発する慢性の皮膚疾患で、両側対称性に
液窩部に発生して脱毛、色素沈着、肥厚、苔癬化を特徴とする。
さらに悪化すると四肢、前胸部まで拡大して悪臭を放つ。
一般に肥満犬になるほど症状は重い。
●コリーノーズ
遺伝的に鼻部の色素沈着が弱いか欠如する個体の鼻鏡や鼻梁にみられる皮膚病
にである。
夏季の強い日光刺激で鼻部に紅斑を呈し、さらに浮腫、脱毛などがみられるよ
うになる。
ごくまれな例として、病勢の進行により扁平上皮がんを併発することもある。
●皺性皮膚炎
犬種特性を示す解剖学的欠陥(たとえば皮膚に皺を作出した犬など)と、
肥満を誘因とした通気性の悪さや摩擦などで生じる皮膚疾患である。
短頭種(ペキニーズ、パグ、ブルドック)では顔面、口唇などに炎症を生じ
やすく、肥満犬や皺の多い犬種では体幹や四肢に発症しやすい。
また尾をまきこんでいる犬ではこの部分に炎症がおいやすい。
●脂漏性皮膚炎
本症はいろいろな原因により、鱗屑や痂皮形成が亢進し、ときにグリース状
の残りかすとして被毛中に付着したり脱毛がおきたりする。
本態性や内分泌性などの一次性の脂漏と外部寄生虫やアレルギーが原因と
なって生じる二次性のもの区別して治療することが重要である。
●スタッドテイル
犬は尾の背線に沿って脂腺やアポクリン汗腺が多く分布する。
そのためこの部分に皮脂などの分泌物が多量に蓄積したり、被毛が
かたまったりする。これが刺激となって細菌感染があると皮膚炎がおこる。
また分泌腺自体の感染も生じるため一度発症すると慢性的で難治性となる
ことが多い。落屑、痂皮、びらんなどがみられる。
●全身性紅斑性老瘡(SLE)
遺伝的素因とウイルス・紫外線・薬剤などの外因が考えられているが、
原因は不明である。
本症は多種多様な自己抗体が持続的に出現し、全身性ないし多発性の
多様な皮膚病変(脂漏性、水疱性、びらんなど)、発熱、関節炎、タンパク尿
貧血などの症状を示す。きわめて複雑な難病である。
●ツメダニ症
イヌツメダニの寄生によっておこる皮膚炎で、小形長毛種の幼犬に多くみられ
成犬での感染は少ない。
ダニは体長0.5mm内外で、体の前端に爪をもつ強大な蝕肢を有する。
全発育環を宿主の体上で過ごし、1世代は約1か月。
感染は病犬との接触による。
感染を受けた犬はふけが大量に生じ、被毛は光沢を失う。
つねに痒みを伴い、病変部の皮膚には白色~黄褐色の湿性のかさぶた
がみられる。ときにヒトにも感染し、激しく痒みをおこすことがある。
●ノカルジア症
ノカルジア(Nocardia)属の細菌感染による皮膚疾患であり、皮膚や
皮下に化膿性あるいは肉芽腫性病巣を形成する。
一方、このような皮膚感染型とは別に全身性の感染があると、肺や中枢神経が
障害されてジステンパー様の症状を呈す。
●幼年性膿痂疹
本症は幼犬(3~4か月齢)の皮膚面に好んで発生する白色ブドウ球菌
による皮膚感染症である。
幼犬の無毛または短毛の柔軟な皮膚面、とくに下腹部や内股部に好発する
表在性膿疱で、点状紅斑を生じ小水疱を形成する。
親犬が本症を示す子犬をなめまわして全身性となることもある。