皮膚炎
皮膚におこる急性あるいは慢性の炎症を皮膚炎と総称する、皮膚炎にはアレルギー
反応によっておこるもの、あるいはその他の原因によっておこるものがある。
あるいはその他の原因によっておこるものがある、猫のアトピー性皮膚炎はさまざ
まな症状を発現させる。
●アトピー性皮膚炎(アトピー)
【原因】
他の個体では感作されない各種アレルゲンに感作されやすい遺伝的体質を
もつ猫で認められる。
ハウスダスト、花粉、カビなどのアレルゲンを吸引あるいはこれらに接触
することにより感作を受け、あるいはアレルギー反応がひきおこされ発現する。
猫のアトピーではハウスダストなど、身近な非季節性のアレルゲンに反応する
ことが多い。
【症状】
猫のアトピーの症状にはおもに、
①自分でなめて毛を抜く
②好酸球性肉芽腫症候群
③粟粒性皮膚炎
④顔や耳の強い痒み
である。
●ニキビ(挫瘡)
【原因】
ニキビはおもに猫の下顎におこり、悪化すると膿皮症になる。
人にニキビとは異なり、ホルモンは普通関連しない。
グルーミング不足、皮膚分泌異常、免疫異常あるいはストレスが原因である。
【症状】
下顎や下口唇の毛包に一致した面皰がみられる。
細菌感染をおこすと下顎全体の浮腫を呈したり、あるいは膿皮症となる。
●天疱瘡
【原因】
表皮と表皮を互いに接着している細胞接着装置のタンパクに対して
自己抗体が生じ、その結果表皮どうしの接着が失われ、表皮内に膿
疱や水疱が形成される。これは自己免疫性疾患の一つである。
【症状】
鼻、眼、口唇周囲、耳などに紅斑、びらん、痂皮が形成される。
●ノミアレルギー性皮膚炎
【原因】
ノミに対する過敏症が原因である。
ノミの寄生が少数でもアレルギーはおこる。
【症状】
背部の中心部から臀部にかけて脱毛、丘疹ならびに痂皮がみられる。
粟粒性皮膚炎も症状の一つである。