外部寄生虫性皮膚炎

 
 
 
 
 
犬にはノミをはじめとして、シラミやダニなどさまざまな外部寄生虫が寄生する。
これらが犬の体表に寄生すると、多くの場合非常に強い痒みが生じ、犬はしきり
に体をかいたりかんだりするようになる。
このため皮膚にかき傷ができたり脱毛がおこり、これに細菌の二次的感染が加わ
ると皮膚の状態はさらに悪化する。
外部寄生虫性皮膚炎によっておこるため、狭い場所で多数の犬が飼育されている
ような場所で発生しやすい。



【ノミ】

 ノミは体長2mmほどの昆虫である。
 成虫だけが寄生性で、幼虫やさなぎ(蛹)は周囲環境で発育する。
 犬に及ぼす害として、刺咬による直接的な害のほか、刺咬が原因となっておこる
 アレルギー性皮膚炎がある。
 ノミによるアレルギー性皮膚炎は夏から秋に多くみられ、腰背部や屋根部などに
 好発し、激しい痒みを伴う。
 子犬にくらべて成犬での発症が多い。



【疥癬(ヒゼンダニ)】

 ヒゼンダニが皮膚の表面に穴を掘って寄生することによって生じる皮膚疾患
 である。季節に関係なく発症し、痒みが非常に強い。
 感染部位では脱毛、紅斑、丘疹、痂皮、色素沈着などがみられる。



【耳疥癬(ミミヒゼンダニ)】

 体長0.3mmほどのミミヒゼンダニの寄生によっておこる。
 ダニは皮膚を穿孔することなく、皮膚表面の痂皮やリンパ液を摂取する。
 犬は耳を非常に痒がり、さかんに耳をかいたり、頭を振ったりする。
 耳道内には黒いロウ状の耳垢がみられる。
 重病例では炎症が内耳に波及し、斜頸や旋回運動のような前庭障害を呈する
 こともある。



【毛包虫(ニキビダニ)】

 毛包内に寄生するニキビダニによっておこる皮膚炎である。
 このダニは多くの健康犬にも少数存在するが、多数の虫体が寄生増殖する
 発症する。
 発症には免疫、遺伝のほか、年齢、栄養状態、ストレス、発情などが関連し
 ていると報告されている。1歳齢未満での発症が多いが成犬でもみられる。
 病変は局所的な場合と全身に及ぶ場合がある。
 局所的な場合の好発部位は眼、口周囲、四肢端などである。一般的に痒みは
 あまり強くないが、二次的感染により激しい炎症をおこす場合もある。



【シラミ・ハジラミ】

 犬にはイヌジラミ、イヌハジラミの寄生がみられる。
 前者は吸血するが、後者は吸血はせず、皮膚片を摂取する。
 両者とも宿主特異性が高く、他の動物には寄生しない。
 いずれも寄生により皮膚炎を生じ、痒み、紅斑などがみられる。
 体毛にふたのある卵を産みつける。



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