ケガ・ヤケド・熱中症

 
・ヤケド
 
→被毛にかくれたヤケドに注意
 
→ヤケドをしたネコが動物病院に連れてこられることがときどきあります。
 ケガほどひんぱんではないものの、やけどの原因となる暖房器具などの高熱を発するものが部屋に
 置かれる冬場に比較的多くみられます。
 ネコがやけどをしたときに、被毛が焦げたりして患部がはっきりと見えていれば、飼い主はすぐに
 気づくはずです。しかし熱湯をかぶってヤケドをした場合や低温ヤケドなどでは、ネコの全身が毛で
 おおわれているために患部が見えず、気づくのが遅れることが少なくありません。
 とくに冬の間、飼い主はネコのヤケドの原因となるようなものが屋内にないかどうか注意する必要が
 あります。
 
 
 
・ケンカによるケガ
 
→かみ傷は小さくても深い
 
→ネコのケガでもっとも多くみられるのは、ネコどうしのケンカによるものです。
 オスどうしのなわ張り争いや発情期のメスのとり合いなどがケンカの原因となることが多いため
 やはり去勢していないオスネコが傷を受けることが多いようです。



・骨折
 
→治療後の看護が重要
 
→ネコはときどきひどい骨折にみまわれることがあります。ネコは体がやわらかく、筋肉は強靭です。
 そのためかなりの高さから落下しても、途中で巧妙に体制を立て直して着地し、ケガをせずにすむ
 こともまれではありません。しかしその限界を超えるような場所から転落すれば、骨折などの大ゲ
 ンカをしたり、悪くなれば死亡することになります。
 そしてこのような転落によって生じる骨折はしばしば複雑で、治療と回復が困難です。
 また多くのネコは屋内だけでなく屋外をも自由に歩きまわり、道路にとび出したりするため
 交通事故などにあって骨折したり死亡することも少なくありません。
 ネコが骨折し、動物病院に入院して治療を行った場合、退院後の家庭での看護が非常に重要になります。
 というのも、手術で折れた骨をきちんと整復し、その後ギプスや包帯で骨折したところを固定しても
 ネコはしばしば自分で固定具をはずしてしまうからです。
 もともとネコはギプスや包帯を装着しにくい体型をしています。
 骨折したネコを回復させるには時間がかかりますが、その間飼い主は、固定具がはずれないように
 気を配らなくてはなりません。これはなかなかむずかしいことです。



・脱臼
 
→関節がずれる
 
→骨と骨がつながっているところには関節があります。
 それらの関節には靭帯と呼ばれる筋肉で守られており、関節が容易にはずれないようになっています。
 しかし、ネコが交通事故にあったり高いところから落ちて強い衝撃が加わると、関節がずれて脱臼が
 おこります。単純な脱臼がおこります。単純な脱臼は、関節をもとに戻せば回復することもあります。
 しかし衝撃の加わり方によっては、関節のまわりの靭帯や腱が損傷したり、骨折をともなっているこ
 とがあり、そうなるといつ完治までに長い時間がかかることもあります。



・交通事故によるケガ
 
→命にかかわるケガが多い
 
→屋外を自由に歩きまわることの多いネコは、交通事故に出あう機会もそれだけ多くなります。
 ひとことで交通事故のケガといっても、重いものから比較的軽いものまでさまざまですが
 やはり命にかかわるような事故が圧倒的に多いのが現実です。車にはねられるとほとんどの
 ネコは死亡するが、たとえ治療によって回復する場合でも、完治までに長い時間がかかります。
 ネコが交通事故にあいやすい環境にいる飼い主は、ふだんから十分な注意が必要です。



・熱中症(日射病)
 
→真夏に部屋に閉じこめると危険
 
→イヌにくらべると、ネコが熱中症にかかる確率はそう高くありません。
 しかしネコもやはり、夏にはゼーゼーと舌を出す状態におちいることがあります。
 ネコの遠い先祖はアフリカの砂漠で生きていたので、暑さには強いはずです。
 しかし汗をかくところ(汗腺)が舌と指の間にしかないため、人間のようにいろいろな環境で
 うまく体温を調節することができません。そのため、体温が急激に40~41度などという高温に
 なると、その後すぐに下がらなくなり、熱中症になってしまいます。
 とくに真夏に狭くて喚起の悪い部屋に閉じこめられたり、ケージに入れられたりしてストレスが
 かかると、体温がいっそう速く上昇します。真夏には、まれにエアコンをかけている部屋でもネコが
 熱中症になることがあります。また車で移動する必要があるときは、車内の温度調節にくれぐれも
 注意が必要です。


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※現在、夜間・深夜診療を行っておりません。
 
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