
エックス線検査
・頭部のX線検査
→<目的>交通事故等による頭蓋骨や頸椎(首の骨)の損傷、上あごや下あごの骨折、脱臼
あるいは耳や鼻に異常のある場合に検査します。
→<方法>患部によってさまざまな体位で撮影します。
必要なら、ネコの体位を変えながらエックス線検査をすることもできます。
・胸部のX線検査
→<目的>胸椎・呼吸器系、循環器系、食堂に異常がみられる場合に検査します。
→<方法>ふつうは、ネコは横臥位(横向きに寝かせる)に保定し
腹側から背側に向けての正面の影像(VD像)と、体の横方向からの影像(ラテラル像)を撮影します。
・腹部のX線検査
→<目的>消化管の通過障害、消化管内の異物、便秘、慢性下痢、肝臓、腎臓の異常
結石、妊娠、腫瘍などを検査します。
→<方法>ふつうはネコを横向けに寝かせ(横臥位)、腹側から背側への正面影像と
体の横方向の影像を撮影します。
・腰部のX線検査
→<目的>骨盤の骨折、股関節の異常を検査します。
→<方法>ネコを横向けに寝かせ、腹側から背側への正面の影像を体の横方向からの影像を撮影します。
・四肢のX線検査
→<目的>手足の骨折や脱臼、腫瘍等の検査をします。
→<方法>患部によってさまざまな方向から撮影します。
・造影法による検査
→<目的>単純エックス線では影像がはっきりせず、診断が困難なときは
ネコの体内に造影剤(体内でエックス線を通さないか、逆によく通す物質)を入れて
エックス線影像をはっきりさせ、見分けやすくします。
→<方法>消化管造影法ではバリウムを使用します。膀胱造影法では、陽性造影(エックス線吸収の
よい造影法を用いた撮影)や、二重造影(カテーテルによって膀胱の内部を空にしてから造影剤を注
入し、ついで空気を入れて膀胱をふくらませてからエックス線で見る)を行います。
ネコの腎臓の造形を行うには、静脈に造影剤を注入します。
病状によっては、脊髄あるいは心臓血管の造影を行うこともあります。
