
アレルギー性皮膚炎

犬が生体外にあるアレルゲンに感作して生じる皮膚炎をアレルギー性皮膚炎とよぶ。
ここでは食餌がアレルゲンになるもの(食餌性)、アレルゲンとなる物質の吸引で
発症するもの(アトピー性)、ある種の物質がアレルゲンとなり、これと接触する
ことで発症するもの(接触性)についてまとめた。
症状発現のタイプには、アレルゲン感染後すぐに症状の表れる即時型と、24~
48時間後に発症する遅延型とがある。
いずれもアレルゲンを除去することにより症状が軽快する。
●食餌性アレルギー性皮膚炎
犬における本症の発症は季節に関係なくおこる。
アレルギー性皮膚炎全体の発生数からみると一割程度と少ない。
犬種を問わずに発症するが、一般的には幼犬に多いようである。
【原因】
アレルゲンとなる食物は多く、主としてタンパク質成分に原因がある。
犬ではさまざまな肉類、牛乳、卵や穀物などがあげられている。
【症状】
主な症状は痒みで、局所または全身的な痒みに対する反応の結果
二次的な皮膚炎を併発することが多く、その症状は多様である。
また本症では片側または両側の耳に外耳炎をおこさせることが特徴である。
なお、本症の10~15%には皮膚症状だけでなく、下痢などの消化器症状も
認められる。
●吸引性(アトピー性)皮膚炎
遺伝的素因として免疫グロブリンE(IgE)抗体が産生されやすい体質の犬に
発症する。
犬における吸引性皮膚炎の発症率は食餌性またはアレルギー性接触皮膚炎より
はるかに高い。
【原因】
ハウスダスト、花粉、ダニ、真菌などがアレルゲンとなり、これらを吸引して
発症する。
【症状】
本症は顔面、四肢、腹部などに強い痒みをおこし、ときに全身症状も生じる。
痒みに対する反応から、二次的な皮膚疾患を招き、その多くは湿疹の経過症状
をとる。本症においてもアレルギー性外耳炎が見られる。
●アレルギー性接触皮膚炎
【原因】
生活環境中のあらゆる物質はアレルゲンとなりうるが、シャンプー
ノミ取り首輪、じゅうたん、食器(合成樹脂製)などとの接触により発症する。
●付:蕁麻疹
痒みを伴った膨疹(紅斑と浮腫)が発疹性に発現し、短時間で消失するものを
蕁麻疹とよぶ。
本症はアレルギー性のものと非アレルギー性(物理化学的刺激など)のものが
ある。
アレルゲンとしては、食餌(魚介類など)、薬物などがあり、非アレルギー性
のものには湿度、日光などが原因となる。