![]() 熊本県:菊池市・菊池郡/合志市/大津町/菊陽町/山鹿市/阿蘇市/熊本市東区・北区 電話:0968-38-5100 現在、夜間の診療を行っておりません。 現在、日曜日・祝祭日の診療を行っておりません。 (※現在、夜間・深夜診療を行っておりません) |
■ 食道の病気 ・食道炎 →食べ物を呑みこめない →ネコはいろいろな理由から食道に炎症をお こし、食道炎になります。 たとえば薬品などの刺激物を食べたり、あ やまってかたい異物を呑みこんで食道が傷 つけられ食道炎をおこすことがあります。 また、のどの炎症(咽頭炎や喉頭炎)をおこ し、それが重くなって炎症が食道にまで広 がることもあります。 食道炎はほとんどの場合、適切な治療を行 えば完治します。 しかし、症状が重くなると、食道が変形 し、食道狭窄などをおこすことがありま す。 ・巨大食道症 →食べるとすぐに吐く →食道は、さまざまな食べ物を通過させるた めにかなり強い筋肉でできています。 そのため、ネコが食べ物をよくかまずに多 少大きなものを呑みこんでも、食道は食べ 物を通すときにいったんふくらんでから通 常はすぐにもとにもどります。 また食道の筋肉は、規則的に収縮と拡張を くり返す蠕動運動を行って、口から入った 食物を胃に送っています。 ところが、生まれつき神経や血管に異常の あるネコや、消化器の病気になったネコで は、食道の蠕動運動が止まって広がったま まになることがあります。 これを巨大食道症といいます。 ■ 胃と腸の病気 ・急性胃腸炎と胃潰瘍 →くり返し吐き、死ぬことも →胃や腸に炎症がおこる病気を胃腸炎といい ます。 この病気になったネコは、下痢をしたり何 度も吐いたりします。胃腸炎は急性と慢性 に分けられます。 急性の場合には症状が重く、死ぬこともあ るので、ただちにネコを動物病院に連れて いかなくてはなりません。 胃腸炎でも、とくに胃の炎症(胃炎)がひど く胃の粘膜が部分的にはがれてくると胃潰 瘍になります。 その症状は胃炎より重いものです。しかし ネコが胃潰瘍になることは比較的少ないよ うです。 なお厳密にいえば、胃腸炎は炎症のおこっ ている場所によって胃炎や腸炎(小腸炎、大 腸炎など)に分けられます。 ネコの場合、胃炎や腸炎が単独でおこるこ とはまれであり、また胃炎と腸炎は症状が よく似ているため、両者を臨床的に見分け ることは困難です。 ・慢性胃腸炎 →軽い下痢が続き、やせてくる →慢性の胃腸炎は、急性胃腸炎にくらべて吐 き気や下痢などの症状は軽いようです。 しかしいつまでも下痢や嘔吐が続くため、 体重が落ちたり、皮膚や被毛の状態が悪く なります。 子ネコは、急性の胃腸炎などで始まった下 痢が長引き、慢性化することがあります。 その場合、正常な成長がさまたげられ、発 育不良となって体が弱くなることもあるの でとくに注意が必要です。 ・胃捻転 →胃がねじれる →胃が文字通りねじれる病気で、胃腸の病気 の中でも非常に緊急性の高いもののひとつ です。 イヌにくらべるとまれですが、ネコにもこ の病気をおこします。胃捻転は突然、腹部 の激しい痛みをともなって発症します。 このとき胃は食道と腸の間でぐるっとよじ れたようになっています。 そのため食べ物や水が胃や腸の中で動かな くなり、腹部には急速にガスがたまってい きます。 ネコはひどい痛みに苦しみ、脱水などの症 状を示します。 この状態で放置されるとネコは急激に衰弱 するため、ただちに病院に連れていかない と死亡する可能性が高くなります。 ・便秘 →年老いたメスネコに多い →ネコは、イヌにくらべて便秘をおこしやす い動物です。 とくに消化器の機能がおとろえた老齢のメ スネコに便秘がしばしばみられます。 こうしたネコは何度もトイレに通い、排便 の姿勢をとりますがほとんど出ず、ころこ ろしたかたい便が少しずつ排泄されたりし ます。 飼い主の中には、ネコがこのような便秘に 苦しんでいる場面を見たことのある人もい るのではないでしょうか。 便秘がひどくなると、便の先が肛門からの ぞいているのにそれ以上なかなか出ないこ ともあります。 とくに消化器のはたらきがおとろえていな くてもビニールや紙などの異物をあやまっ て食べたり、毛球症をおこして便秘するこ ともあります。 ・巨大結腸症 →ひどい便秘が続く →この病気になると重い便秘になります。 活動的な若いオスネコにおこりやすい症状 です。 結腸(大腸のほとんどをしめている部分)が 力を失うと、腸の力では便をうまく押し出 せなくなります。 すると便がたまって結腸が拡大し、ますま す大量の便がたまるようになります。 これは慢性化する病気です。巨大結腸症の ネコはつねに便秘に悩まされ、くり返し吐 き気をみせたり 食欲不振などの症状を示します。 ・直腸脱 →肛門から腸が出る →腸の一部が体の外にはみ出す病気で、ネコ ではときどきみられます。 大腸の最後の部分である直腸が裏返しにな り、肛門から外に出てきます。 このとき直腸の粘膜がむき出しになるた め、時間がたつと患部はむくみ、真っ赤に なって腫れあがります。 飼い主が直腸の脱出に気づかずに長い時間 がたつと、外に出た大腸の粘膜はぼろぼろ になり、さらには腸自体が壊死することも あります。 ・腸閉塞 →腸がふさがり緊急手術が必要 →腸の内容物がとどこおって動かなくなった 状態をいいます。腸内にはガスもたまって 腹がふくらみます。 この病気は腸管が物理的にふさがったとき におこります。 たとえば腸内に異物が入りこんだ、腫瘍が できた、腸重積(腸が内部にたたみこまれる 病気)や腸捻転をおこしたなどです。 それだけではなく、腸炎などの病気のなっ ても、腸管の蠕動運転が止まって腸の内容 物が動かなくなり、腸閉塞になることがあ ります。腸閉塞は内科療法だけで治ること もあります。 しかし異物や腫瘍などによる腸閉塞では、 たいていは緊急手術が必要です。 ・腸重積 →腸がたたみこまれる →腸の病気の中でも非常に重いもののひとつ です。 言葉ではわかりにくいのですが、腸の一部 が内側にめくれて、隣り合う部分の内部の 入りこむ病気です。 腸が積み重なったような状態になるため“重 積”した部分で腸が三重に重なるため、正常 の大きさに広がることができません。 そのために腸の内容物がその部分でとどこ おり、結果的に腸閉塞の症状が出ます。 重積になって腸が完全にふさがると症状は 重くなり、内科療法だけで治療することは できません。 治療には緊急の手術が必要です。腸が完全 にはふさがれず、ネコの症状が重いと、飼 い主がネコの病気に 気づかないこともあります。 しかし、症状が慢性的に続くため、ネコは 徐々に衰弱し、命にかかわることがありま す。 ■ 肛門の病気 ・肛門嚢の炎症と膿瘍 →肛門のまわりからうみが出ることも →スカンクが肛門からにおいを出すことがよ く知られていますが、その分泌物をつくっ てためておく器官を肛門膿といいます。 イヌもネコもこの肛門膿をもっています。 肛門膿は消化器ではありませんが肛門の周 囲にあるので、胃腸の関連器官として、そ の病気も説明します。 ![]() |