![]() 熊本県:菊池市・菊池郡/合志市/大津町/菊陽町/山鹿市/阿蘇市/熊本市東区・北区 電話:0968-38-5100 現在、夜間の診療を行っておりません。 現在、日曜日・祝祭日の診療を行っておりません。 (※現在、夜間・深夜診療を行っておりません) |
■ ウイルス感染症 ・ウイルス性呼吸器感染症 →せきや鼻汁が出る →ネコはせきをしたり、鼻汁を出したりして かぜのような症状をみせることがあります。 これは、おもにのどや気管などの呼吸器に ウイルスが感染したことが原因です。 ネコの呼吸器に感染するウイルスは何種類 か知られています。 代表的なウイルスは「ネコカリシウイルス」 と「ネコヘルペスウイルス」です。 どちらに感染した場合も同じような症状をお こすため、ここではウイルス性呼吸器感染症 として、いっしょに説明することにします。 これらはちょうど人間に流感のように、冬場 に感染しやすい病気です。 「人間のかぜはネコにうつるのか」と質問さ れることがありますが、 人間とネコでは感染するウイルスが違うた め、たがいにうつしあうことはありません。 しかし冬場の乾燥して寒い環境では、人間も ネコも呼吸器に負担がかかりやすいため、 同じ時期にかぜのような症状が出る病気にか かりやすいようです。 ・ネコ伝染性腸炎 →子ネコは急激に衰弱する →重い伝染病のひとつです。 体力のあるおとなのネコが感染した場合は 症状が比較的軽くすむこともありますが、 生まれてまもない子ネコや年老いたネコな ど体力のないネコが感染すると、数時間か ら数日で急激に衰弱し、死亡することも少 なくありません。 最近はワクチン接種がかなり普及してきた ため、以前よりは感染するネコも減ってい るようです。 しかしこのウイルスは感染力が強く、また 病原菌も強いため、ネコはしばしば感染し て衰弱します。 ・ネコエイズ →体が弱り、さまざまな病気に感染する →ネコのエイズウイルス(免疫不全ウイルス) は、ネコのウイルスでは比較的最近発見さ れたもののひとつです。 ネコも人間と同じように、外部から体内に 侵入する病原体や毒物から自分の体を守る 「免疫」というしくみを生まれながらにし てそなえています。 しかし、エイズウイルスに感染してネコエ イズが発症すると、人間のエイズと同様、 免疫がきちんとはたらかなくなり(免疫不 全)、体の抵抗力が弱まります。 そのためさまざまな二次的な病気にかかり やすくなります。 ネコがウイルスに感染してからはっきりし た重い症状が出るまで、数カ月からときに は数年という長い時間がかかるまで、飼い 主が感染に気づくのに遅れてしまうことも 少なくありません。 さらに免疫不全は徐々に進むため、末期に なるとさまざまな病気を併発し、それによ って死亡することもあります。 ネコエイズと同時にネコ白血病ウイルス感 染症などに感染する(混合感染)こともあり、 この場合には症状がさらに複雑で深刻にな ります。 ・ネコ白血病ウイルス感染症 →さまざまな症状が現れ、死ぬことも →ネコ白血病ウイルスは白血病のネコからは じめて発見されたため、こう名づけられま した。 しかしこのウイルスは、必ずしもネコに白 血病だけを引きおこすわけではありません。 白血病ウイルス感染症になると、エイズウ イルス感染症などと同様、ネコの病気への 抵抗力がいちじるしく低下します。 そのためネコはさまざまな症状を示し、し ばしば治療が困難になります。 さらに、感染してから症状が出るまでの期 間が数カ月からときには数年と長いため、 感染しても飼い主はネコがこのウイルスに 感染したことに気づかないこともあります。 ・ネコ伝染性腹膜炎 →腹がふくらみ、ついには死亡する →この病気の典型的な症状は、ネコの腹が異 常にふくらんでくるというものです。 このような症状が腹膜(いろいろな臓器の 表面とそれらの臓器がおさまっている腹腔 を包んでいるうすい膜)が炎症をおこし、そ こから水(腹水)がにじみ出て腹の中にたまっ ていくためです。 そのため伝染性腹膜炎とよばれています。 実際、ネコのようすにはほかにとりたてて 異常がみられず、おなかの異様なふくらみ によってはじめてこの病気が発見されるこ とも少なくありません。 しかしこの病気では、この症状以外にも、 胸膜炎(肺を包んでいる膜が炎症をおこす) や目の異常を示すこともあります。 さらにこうした症状がまったくみられない 例もあります。 この病気も、ネコ免疫不全ウイルス感染症 などと同じように病原ウイルスに感染して から症状が出るまでの期間が一定しません。 また症状が複雑で困難な感染症のひとつで す。 この病気には現在でもさまざまな治療法が 試みられていますが、一時的に症状を軽く することはできても、完治させることはむ ずかしいようです。 ■ ウイルス以外の感染症 ・トキソプラズマ症 →子ネコの血便に注意 →この病気は、トキソプラズマという微小な 生物がネコに感染することによって発症し ます。 ほとんどのネコには症状が出ませんが、子 ネコや、おとなでも体の弱いネコが感染す ると死ぬこともあります。 この微生物はネコ以外にも、ネズミやブタ、 ヒツジなどの哺乳類や鳥類にも感染します。 そのため、ネコがそれらを捕食することで 感染することもあります。 またトキソプラズマは人間にも感染するの で、飼い主がネコにうつされることもあり、 公衆衛生上問題となることがあります。 ・クリプトコッカス症 →鼻が腫れ、皮膚にしこりができることも →カビの仲間であるクリプトコッカスに感染 して発症する病気です。 ネコだけでなく、人間やイヌなどのさまざ まな動物に感染します。 この病原体は感染した鳥のフンなど入って さまざまな場所に運ばれるとみられ、地表 や地中のあちこちに存在します。 また風によってまき散らされ、空気中に浮 遊しています。 人間やネコは、こうして環境中に広がって いる病原体を吸いこんで感染するようです。 しかし、少量のクリプトコッカスを吸いこ んでも、この病気を発症することはありま せん。 ネコの場合、白血病ウイルスやネコエイズ ウイルスなどに感染しているときや、他の 病気にかかって体の抵抗力が落ちていると きにクリプトコッカスの症状が出るようで す。 ・ネコ伝染性貧血 (ヘモバルトネラ症) →体が弱って貧血になる →ヘモバルトネラと呼ばれる非常に小さな生物 の感染によってネコが貧血をおこす病気で す。 しかしこの病気が単独で発症することは少な く、たいていはウイルス感染症などの病気で ネコの体力や免疫力が落ちたときに発症しま す。 ![]() |