熊本県:菊池市・菊池郡/合志市/大津町/菊陽町/山鹿市/阿蘇市/熊本市東区・北区 電話:0968-38-5100 現在、夜間の診療を行っておりません。 現在、日曜日・祝祭日の診療を行っておりません。 (※現在、夜間・深夜診療を行っておりません) |
■ 一般的な皮膚病 ・脱毛症 →部分的な脱毛は要注意 →イヌの皮膚は密集した被毛でおおわれて いいます。 春や夏には上毛とよばれるじょうぶな毛 だけが生えていますが、秋から冬にかけ ては上毛に加えてやわらかな下毛が生え、 イヌの体温調節を助けます。 気候があたたかくなると、下毛が抜けて 大量に脱毛しますが、これは体の自然の はたらきなのでとくに心配はいりません。 しかし、部分的に脱毛したり、全身の被 毛が極端にへるときには病気が原因と考 えられます。 ・膿皮症 →皮膚がうんで、ひどくかゆくなる →イヌの皮膚や被毛はいつでも、細菌が少な からず付着しています。 しかしふつう、皮膚が健康であれば、それ らがむやみにふえて皮膚に病気をおこすこ とはありません。 それは皮膚自体が菌の異常な増殖をおさえ る力をもっているためです。 しかし、たとえば体の免疫力が低下した り、年をとったりして皮膚が抵抗力を失う と、菌が異常にふえ、皮膚が化膿すること があります。これを膿皮症とよびます。 ・脂ろう症 →皮膚がべとついたりかさついたりする →栄養のかたよりや、寄生虫や細菌の感染 によって、皮膚から脂が異常に分泌された り、皮膚の角質化が極端に進むことがあり ます。これを脂ろう症といいます。 これはネコではあまりみられませんが、イ ヌには多い病気です。 ■ 寄生虫やカビによる皮膚病 ・ノミによる皮膚病 →人間にも被害をおよぼす →ノミがイヌの血を吸うとき、その唾液が原 因になってアレルギー性の皮膚炎をおこす もので、これをノミアレルギー性皮膚炎(ノ ミ刺咬性皮膚炎)といいます。 この病気を治すには、患部の治療と同時 に、原因となるノミをイヌの生活環境から 駆除しなければなりません。 ・毛包虫症 →ダニが毛根に寄生する皮膚病 →イヌの被毛の根元にある皮脂腺に、ダニの 一種の毛包虫が多数寄生して、脱毛や皮膚 炎をおこします。 イヌがかかる代表的な皮膚病のひとつで、 かつては治りにくい皮膚病の代表でした。 近年では毛包虫を殺す抗生物質が開発さ れ、その他の治療法も進歩したために治す ことが可能になりました。一時期はほとん ど診察する機会がないほど数がへったので すが最近、ふたたびふえてきている皮膚病 です。 ・疥癬 →ヒゼンダニが皮膚に住みつく →皮膚にダニの一種、イヌセンコウヒゼンダ ニ(疥癬)が寄生しておこる皮膚病です。 皮膚にフケが出て、はげしくかゆみをとも なう皮膚炎をおこします。 このヒゼンダニは人間にも感染します。 ・ツメダニによる皮膚炎 →大量にフケが出る →ツメダニの寄生によっておこる皮膚炎で、 ケイレテイラ皮膚炎ともいいます。 接触によってこのダニは人間にも感染し ます。 ・マダニの寄生 →血を吸って大豆大にふくらむ →春から初夏にかけて木や草の多い地域や山 の近くで飼われているイヌにしばしば見つ かるのがマダニの寄生です。 マダニはイヌの皮膚から血を吸って大きく ふくれます。 ・ハジラミによる皮膚炎 →皮膚が不潔になる →皮膚を吸血してかゆみをともなう皮膚炎を おこすシラミの寄生は近年ではほとんどみ られなくなりました。 しかし、同じシラミの仲間のイヌハジラミ の寄生は、いまでもときどきみられます。 ・ハエウジ症 →ハエの幼虫が皮膚を食い破る →ハエがイヌの体表に卵を産み付け、そのウ ジが皮膚を食い破って皮下組織を傷つけま す。 イヌはひどい痛みに苦しみます。 ・白癬 →円形に毛が抜ける →人間の水虫の原因となる白癬菌の近縁のカ ビが寄生しておこる皮膚病です。 円形の脱毛がおこるので、リングワーム (輪虫)といいます。 ・酵母菌による皮膚病 →症状が出るまで気付かない →イヌの体や皮膚には、さまざまな細菌や カビなどが寄生しています。 ふだんは被害を与えませんが、そっらが 増殖すると、かゆみが生じたり皮膚病を 悪化させたりします。 カビの仲間の酵母菌マラッセチアは、ふ つうはイヌの耳あかに繁殖します。 しかし脂ろう性皮膚炎やアトピー性皮膚 炎をおこした患部からもこの菌がたくさ ん見つかることから これらの皮膚病を悪化させる原因と考え られています。 人間に寄生するマラッセチアも、アトピー 性皮膚炎を悪化させる原因のひとつとみら れています。 ■ アレルギーによる皮膚病 ・アトピー性皮膚炎 →ひどくかゆがり、体をしきりにかく →イヌによっては、ほこりやダニ、花粉など に敏感に反応し、これらが空気といっしょ に口や鼻から入ってくると、アレルギーに なって皮膚をしきりになめたりかいたりす ることがあります。 このように、アレルギーをおこす物質(ア レルゲン)を吸いこむことによっておこる 病気をアトピーといい、代表的なアレルギ ーのひとつです。 ・食べ物によるアレルギー →根気のよい治療が必要 →食べものに対しておこるアレルギーです。 食べものの中のある種の物質に対してイヌ の体内に抗体ができると、その後同じ食べ ものを食べたときにアレルギーの症状があ らわれます。 卵や牛乳などのたんぱく質を多くふくむ食 べものや、ある種のドックフードなどによ っておこることもありますが、イヌによっ て原因はさまざまです。 ・接触によるアレルギー →よくさわるものがアレルギーの原因に →特定のものにさわることによってあらわ れるアレルギーです。 イヌが日常使っているものやよくさわる器 具の中に、アレルゲン(アレルギーをひき おこすもの)がふくまれていると、アレル ギーになって皮膚が赤くなったり、かゆく なったりします。 ・自己免疫による皮膚病 →鼻や耳が脱毛し、かさぶたができる →動物は体を守るために免疫とよばれるは たらきをもっています。 体の中に有害なものが入ったとき、免疫 はそれを攻撃し、体内からそれを排除し ようとします。 しかし、免疫が何らかの異常をおこし、 自分の体をまちがえて攻撃することがあ ります。 これを自己免疫疾患とよびます。イヌでは よくみられる病気で、多くは皮膚に異常が 生じます。 ■ ホルモンの異常による皮膚病 ・ホルモン性皮膚炎 →抜け毛がふえ、健康がそこなわれる →ホルモンの異常による皮膚病は4~5歳以 上のイヌにあらわれることが多い病気で す。そのもっとわかりやすい症状は脱毛 です。脱毛の時期でもないのに毛が抜け やすくなったり、地肌が見えるほどに毛 が抜ける時にはこの病気を疑いましょう。 病気の初期にはふつう、かゆみはほとんど ありません。 ・甲状腺ホルモンの異常 →脱毛し、皮膚が黒ずむ →甲状腺ホルモンの分泌量が少なすぎると、 地肌が見えるほど脱毛することがありま す。犬種によっては胴体の両側が同じよう に脱毛します。 イヌでもっとも多くみられるホルモンの異 常です。 |